[コラム]ウェブブラウザの変遷とIEの終焉
今回はウェブブラウザの歴史を簡単に振り返ってみたいと思います。
インターネット初期のウェブブラウザ「Mosaic」
初期のブラウザとして「Mosaic」が有名です。
特徴は、テキストと画像を同一の画面上に表示できるということでした。
それ以前は、テキストと画像は別々のウィンドウに表示されていたらしいですね。
今となってはあったりまえのことですが、その当時は革新的なことだったんですね。
Mosaicの登場がインターネットの普及に拍車をかけたと言われています。
「Netscape Navigator」の登場
1993年のインターネットの商用利用解禁とともに、
Mosaic開発に携わった人たちが新たなブラウザ「Netscape Navigator」を開発します。
ここから、Netscape Navigator黄金時代に突入です。
ウェブブラウザといえばNetscape Navigatorでした。
当時のシェアは80%を超えていたとも言われています。
Netscape Navigatorは、日本では「ネスケ」という愛称で呼ばれていました。
ホームページは「ネスケ」で表示できることが大前提。「ネスケ」での表示が絶対だったのです。
Windows98と「Internet Explorer(IE)」
同じころ、マイクロソフトもMosaicをベースに「Internet Explorer(IE)」ブラウザを開発していました。
初期バージョンのころは、ネスケには到底及ばす鳴りを潜めていました。
しかし、Windows98が登場し、そこにIEが統合されたことにより、OSに初めから入っているIEを使う人が増え始めたのです。
そして1999年ごろには、IEがネスケのシェアを超えてしまいます。
ここからは、IE天下の時代となっていきます。
以前のネスケのように、今度はIEの表示こそ正義であるということになります。
あのAppleでさえ、MacOSにIEを組み込んだりするまでになったのです。
打倒!IE、モダンウェブブラウザたち
ほぼ独占状態となったIE。
しかし、市場の独占は停滞をもたらす原因にもなりました。
機能もバグも改善されず、表示も鈍足なIE。
でもOS標準ブラウザなので何となくみんなが使っている。
今でもそんな状況です。
さらに追い打ちをかけるように、独自仕様のActiveXという拡張機能が悪用され、セキュリティ問題もクローズアップされ始めます。
そんなIEの牙城を打破すべく、2004年にはMozillaから「Firefox」が、2008年にはGoogleから「Google Chrome」ブラウザが発表されました。
これらモダンブラウザは、サクサク動作するうえ高機能であったため、IEに不満を持つユーザーに受け入れられ人気となります。
さらにモダンブラウザでは、頻繁にアップデートが提供され、機能改善やバグ対策が行われるようになります。
それに対して、セキュリティパッチはなんとか提供されるものの、バグ修正も機能改善もされないままのIE。
その差は歴然で、IEはどんどん化石化していき、ただのお邪魔虫となっていきます。
とうとうマイクロソフト自身が、「IEは使用しないで」宣言を出すまでとなりました。
「Internet Explorer使わないで」開発元のマイクロソフトが警告:HUFFPOST
https://www.huffingtonpost.jp/2019/02/10/microsoft-ie-stop_a_23665793/
「IEのデフォルト使用は危険」とMicrosoft公式ブログが言及:GIZMODO
https://www.gizmodo.jp/2019/02/internet-explorer-officially-too-edgy.html
Microsoft、脱「Internet Explorer」を切実な言葉でお願い:Livedoor NEWS
進まぬ脱IE、マイクロソフトも苦慮:日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40956540W9A200C1000000/
開発中止となったIEの代わりに「Edge」というブラウザを出しますが、これがまた中途半端な出来栄えで、全く使う気にならないものでした。
そしてマイクロソフトは最近、「Edgeがとてもお粗末なので、Chromeブラウザで使用されている技術を使ったものに変更します」だそうで。
Chrome使うからマイクロソフトさんはもういいよ、と言いたい。
みなさん、そんなわけなので、もうIEは使わない方がいいですよ。
今やChromeやFirefoxなどモダンなブラウザがいっぱいあるので、そちらを使っていきましょう。
2019.9.13
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